離婚時に取り決めておくこと④

少し時間が空いてしまいましたが、離婚時の取り決めについての最終ページです。
▶慰謝料②
また、よくある不貞慰謝料に関してですが、奥様が把握されている、継続的な浮気の全体に対する慰謝料として何万円と取決めできていれば問題ないのですが(不貞の場合、奥様が不貞する場合も当然あります)、例えば、奥さんとしては不貞は一回だけとかAさんだけと思って慰謝料の合意をしたにもかかわらず、実際は、複数回とか、別のBさんとの浮気もあったというように、離婚した後から不貞の事実が次々と発覚するようなこともあります。しかも、慰謝料額も決まって安心したのか元ダンナからの発言で発覚することもありますし、離婚したからいいよねと言って周りの友人から聞かされて発覚することもありますが、いずれにしても私の感覚としては、あとから発覚すること自体は珍しいことではないように思います。
奥様としては、このような事後的な発覚があると、既に決めてしまった慰謝料の金額では納得できないのではないでしょうか。しかし、のちのち慰謝料の増額を請求しても、旦那さんからは、当初の合意額は不貞行為全てを考慮したもので、これ以上の増額はできないという反論がされる危険性があります。
このように、慰謝料の金額を決めるに際しても、以下示すように、いろいろと注意が必要です。
1)慰謝料の具体的な算定根拠を明示する
取り決めた慰謝料に関して、具体的な算定根拠も併せて合意書に記載しておくようにすることをおススメいたします。
例えば、Aさんとの不貞行為1回=100万円というように、相手と回数を特定した算定方法を明らかにしておきます。そうすればBさんとの不貞が発覚した場合、先の合意は、範囲外ですので、説得的に、慰謝料の増額を主張できます。
2)支払期限・支払方法を決めておく
支払う額が具体的に確定したとしても油断できません。きちんと相手に支払ってもらうことが大切です。そこで、いつまでに、どのように支払うのか(一括支払いか、分割払いか)をきちんと決めて書面にしておくことが有効です。例えば、「毎月28日に銀行振り込みで支払う」などといった取り決めになります。こうすることによって、相手が支払う意思を持っているのか、いつ支払われるのかが明らかになります。なお、もし、相手の給与日等を知っているのであれば、支払日は、その給与日から近い方がよいと思います。といいますのも、お金をきちんと管理されないタイプの方は、手元にあるお金を支払請求が来たものや間近に必要となったものに、随時支払っていく傾向にあり、後々の慰謝料の請求時には、手元のお金がスッカラカンということもままあります。そこで、相手の手元にお金があるうちに、慰謝料の支払日が来るよう工夫してみてください。
3)支払いを怠った場合の措置など
上記のように金額や支払方法が決まっていても、それに従った支払がきちんとなされるとは限りません。そこで、相手が支払いを怠った場合にどのような手段をとるか、あるいはどのような制裁を受けるかを明示しておくことも重要です。また、支払総額を多めに設定したうえで、約束どおり分割払いを一定程度続ければ、残りは免除するという規定を設けておくことも一つの方法です。その他にも、支払いが滞ったら強制執行を甘んじて受けるという文言の入った公正証書を作成するということも考えられます。
まとめ
離婚時には取り決めをしておくことで後々のトラブルを防止することができます。その際は是非文書で作成をしましょう。