離婚時に取り決めておくこと③

 

▶慰謝料①

離婚をする際に、離婚の原因(多いのはやはり不貞(いわゆる浮気)です)を作った方に対しては、婚姻関係を破綻させたとして、慰謝料の問題が生じます。いわゆる離婚をした場合の不貞慰謝料の相場としては、よく200~300万円という話がありますが、裁判ではなく任意交渉をした場合は、もっと安いことがほとんどですし、仮に裁判をやったとしても、婚姻期間の長さ、不貞期間の長さ、未成年のお子様の有無等、種々の事情を勘案し、上記金額よりも高いこともあれば、安いことも当然ありますので、一概にいくらになると言いにくいのが実際のところです。実際、私が依頼を受けた案件でも婚姻期間が短いにもかかわらず500万円以上の慰謝料で決着したものもありましたし、婚姻期間が長いにもかかわらず慰謝料が100万円もいかないものもありました。

 

なお、例えば、離婚の原因を作ったとは、どちらが離婚を切り出したかとは関係ありません。たまに、ご相談の中で、離婚を自分から切り出したら、慰謝料を請求されるのですか?とご質問される方がいるのですが、そんなことはありません。もし、そうだとすると、夫の浮気に耐えかねて離婚を告げた奥さんが、逆に慰謝料の請求をされることになってしまいますが、そんなことはないのでご安心ください。

ここでいう原因とは、不貞とか、家庭内暴力といった、婚姻関係を継続できなくさせた理由そのものの問題です(なお、不貞行為以外にも慰謝料を請求できる場合もあります)。ただし、性格の不一致や家庭内不和等明確に離婚原因といいにくい場合に、相手方が離婚を承諾する代わりに、こちらに対して一定程度の金銭の支払いを要求してくることは当然あります。これは、相手方がこちらの要望を飲んでくれたことに対する解決金であって、いわゆる法的な責任ではありません(もちろん、これに合意すると、その支払いは法的な責任となってしまいますが)。

文責:神楽坂総合法律事務所